コラム674:恐怖を克服する秘訣

「布」という言葉は、繊維で作られた頭巾を、使わない時に腰に巻いている帯に差し込むという情景を表わした言葉です。

 

もしもこの頭巾で、目を覆ってしまったのなら・・・

そしてさらに心を布で覆ってしまったのなら・・・

 

「怖い・怖れ」とは、「心」「布」から構成されていますが、まさにこのような情景を指した言葉です。

目を覆っている頭巾は、手で払いのければ、すぐに視界が広がりますが、心に覆いかぶさった頭巾は、物理的に払いのけることができない分、一朝一夕には進まないことを意味しており、実際に抱いた「怖い・怖れ」の感情は、すぐには解消しないのです。

 

「怖い・怖れ」を克服したいなら、それは唯一の方法として、「希(のぞみ/希望)」を抱いてみることです。

 

「希」とは、「布」「織り目」を指し、秀でた技術や能力、または多大な努力によって仕上がった、「極端に織り目の少ない布」という意味になります。

 

ある職人が、より良い布製品を作る際に、一般の方々からすると有り得ないくらいの精度で仕上げてしまう。周りから「出来るわけないよ」と言われ続けて、「もしかすると出来ないかもしれない」という、心の中の「怖さ・怖れ」という葛藤を「希望」という自身の心を信じて成し遂げてしまう。

 

日本人は、古くは伝統工芸品、当時の世界最速である新幹線、ビルの10階以上に相当する高さの高速道路の建造、世界最長の吊り橋である明石海峡大橋など、数多くの「怖い・怖れ」を克服してきた民族です。

 

また「希」とは「まれな」という言葉も指しています。「まれ」という言葉は、「奇跡」という意味にもなり、街を歩けばそこら中に「奇跡」が現実化したものを目の当たりにできる、非常に幸運な民族だともいえます。

 

数多くの奇跡を叶えるために、「怖い・怖れ」を克服してきた、多くの先人達が抱いた「希望」から、私たちは学ばねばなりません。

 

月並みな言葉ではありますが、「希望」を叶えるためには、日々の努力によって培った技術や能力が不可欠であるということであり、そしてその目的が達成する過程で、既に何らかの「怖さ・怖れ」がなくなっているはずです。

 

何でもかんでも怖がる人に対して、私から言うべきことは「怖がるな!」ではなく、「希望を抱け!」です。希望を抱くには、「先人が成し遂げた奇跡を肌と心で感じろ!」としか他に言いようがないのです。